ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

母をあきらめる練習

 

 新しい車椅子がやってきました。

リクライニング機能とヘッドレストがポイント。

いろんな所が調整可能で身体各所のサポートがあり、母も私も助けられます。

介護保険を使って、月額レンタル料は自己負担900円です。

 

 

約2年前、倒れるその日まで母は車を運転し、習い事や旅行、一人暮らしの家の維持、すべてをきちんとこなしていました。

 

今はほぼ前後不覚。

あらゆることに介助が必要です。

 

一人暮らしをしていた頃の母の食卓の写真が残っています。

 

f:id:Darjeelingmama:20200413224759j:plain

f:id:Darjeelingmama:20200413225551j:plain

 

倒れる2年前に夫(私の父)を亡くしひとりになった母に、私と妹は1日に何度も電話やラインをしていました。

うるさいなーって思ってくれたらそれでよし。

 

その頃の母の日記が出てきて、ごめんねと思いながらのぞき見しました。

 

「さみしい」ばかりでした。

 

娘が来た、という記述は1度だけ、かな。月に2度は行ってたのに。

 

そんなに仲のいい夫婦でもなかったと思うのです。

愚痴もたくさん聞きました。

 

父が亡くなった後、母が言ってました。

「何が起きても、お父さんと私はここでずっと暮らしているような気がしてた」

 

日当たりのいいリビング。

母は台所に立っていて、こちらに背を向けています。

父は食卓の決まった場所に陣取り、すし屋でもらった大振りの湯飲みを手に、庭を眺めています。

 

平和で静かで、元気だったふたり。

 

父は病を得て4ヶ月で亡くなり、母は倒れて以来こわれたまま。

 

生きていてくれるんだから。

痛いことなく。

おいしいものを食べて。

添い寝して、体をさすって。

 

母なしで 自由になれると思うなよ こわれた母を守るしあわせ

 

母をあきらめる練習をさせてもらってるんです。

 

私はなんの悲しみも知らなかったなあ、と思います。

 

母の夕食

f:id:Darjeelingmama:20200414231816j:plain

 

・五目寿司。よく作ります。じゃこ・さっと湯がいたレンコンを寿司酢に前日から漬けておいて、炊き立てのご飯に混ぜ込んで基本のすし飯とします。

人参・干シイタケ・筍などを甘辛く煮たものも混ぜて、胡麻・紅生姜をたっぷり。あとは、お稲荷さんの味付けで揚げを煮て(これも前日やります)まるでうなぎのように切って散らします。全部を一緒に口にいれると、五目稲荷の味、というわけです…母のまねです。

・大根のお味噌汁

・大根と人参の浅漬け

 

軽やかに八十路を越え、卒寿も健やかに迎え

なお美しく健康に長生きする、そんな母しか想像していませんでした。

 

日中の混乱が怒りに変わることが多く、今夜から睡眠薬を増やしています。

しみったれでごめんなさい。

おやすみなさい。

 

 

にほんブログ村 介護ブログ 要介護5へ
にほんブログ村