今日は土曜日。
誰も来ない。
メール・ワンドライブ・デスクトップのメモ書き・なぜかバーストで撮影されてる変な顔の写真。。。
30分間だけ、と始めたPCの断捨離作業。
「お母さん」という名のファイルで中断されました。
お母さんと行きたいお店、場所、作ってあげたい料理、一緒に見たい映画。
母との交流は十分にあったけれど、やっぱり自分の家庭、子育て、仕事が優先でしたから、こんなファイルを作っていたんです。
いつか、母と、ゆっくり。
母はもう、何もわからなくなっていて、いろんなことをぬぐったように忘れていて、ただ、父が亡くなった後の苦しさだけに支配されているよう。
怒りと寂しさにまみれた顔をしています。
この3か月くらい、笑顔を見ていません。
寝ていることが多くなり、車椅子に座っていても、左手をわずかに上げることしかできません。
元気な母だけでなく、穏やかで優しくて、お茶目だった母もいなくなってしまいました。
それでも生きていてくれて、私の作ったご飯を食べてくれて、抱きしめるととてもあたたかい。
いつも、かつての母の片鱗を探しています。
どんな時も口を結んでゆっくり食べるところ。
クッションに置いた指のしなやかさと、形のいい爪。
少しはっきりしているときに、お母さん痛いところない?と聞くと、
「だいじょうぶ、はやくねなさい」と答える優しい口調。
お母さんファイルの最終更新日は、2018年2月。母が倒れる2ヶ月前。
・銀座伊東屋のカフェ
・日本近代文学館文壇カフェ
・銀座オーバカナルカフェ、その上の骨董屋、ギャラリー
母は紅茶とサンドイッチが好きですから。
今日は誰もこないからいいやと思って、メソメソしてました。
母が目を覚ましたので、一緒にベッドに座ります。
背中をそっと支えていれば、座っていられるときがあります。
完全に寝たきりにならないように。
失われていく筋肉をなんとか少しでも維持したい。
小さな母と並んで座って、あれこれ話しかけます。
一度緩んだ涙腺はもうだだもれ状態。
母の背中をさすりながら、泣けて泣けて。
母はあらぬ方向を見つめてじっとしています。
夕方、社会人1年生の娘からラインが来て、
「今日ご飯食べにいってもいい?」
はいはい、もちろん。
はりきって準備した娘のお夕飯。
・あさりのスパゲティ
・煮卵とブロッコリ
・焼きのこと卵のおつゆ
・バゲットサンド
もりもり食べてくれました。
あのファイルは、妹や、娘達と行きたい場所にすればいい、と思いつきました。お母さんと行きたかったのに、ってグズグズ思っていたら、母を心配させるだけ。
私を母にしてくれた娘達のおかげで、母の気持ちが少し想像できます。
母のお夕飯。
・名前を忘れた北海道産のわかさぎに煮ている魚を揚げて、酢に漬けたもの。←魚の向きが逆です!ブログを見た方が教えてくださいました。気をつけます!
・ほうれん草と春菊の胡麻和え。
・雑穀ご飯にじゃこと胡麻。
・沢庵
母の食事は完全に私の好みに偏ってます。
ごめんね、お母さん、明日はおいしいサンドイッチ作るよ!
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