ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

お母さんという名のファイル

今日は土曜日。

誰も来ない。

メール・ワンドライブ・デスクトップのメモ書き・なぜかバーストで撮影されてる変な顔の写真。。。

30分間だけ、と始めたPCの断捨離作業。

 「お母さん」という名のファイルで中断されました。

 

お母さんと行きたいお店、場所、作ってあげたい料理、一緒に見たい映画。

母との交流は十分にあったけれど、やっぱり自分の家庭、子育て、仕事が優先でしたから、こんなファイルを作っていたんです。

 

いつか、母と、ゆっくり。

 

母はもう、何もわからなくなっていて、いろんなことをぬぐったように忘れていて、ただ、父が亡くなった後の苦しさだけに支配されているよう。

怒りと寂しさにまみれた顔をしています。

この3か月くらい、笑顔を見ていません。

寝ていることが多くなり、車椅子に座っていても、左手をわずかに上げることしかできません。

元気な母だけでなく、穏やかで優しくて、お茶目だった母もいなくなってしまいました。

それでも生きていてくれて、私の作ったご飯を食べてくれて、抱きしめるととてもあたたかい。

いつも、かつての母の片鱗を探しています。

どんな時も口を結んでゆっくり食べるところ。

クッションに置いた指のしなやかさと、形のいい爪。

少しはっきりしているときに、お母さん痛いところない?と聞くと、

「だいじょうぶ、はやくねなさい」と答える優しい口調。

 

お母さんファイルの最終更新日は、2018年2月。母が倒れる2ヶ月前。

・銀座伊東屋のカフェ

日本近代文学館文壇カフェ

・銀座オーバカナルカフェ、その上の骨董屋、ギャラリー

母は紅茶とサンドイッチが好きですから。

 

今日は誰もこないからいいやと思って、メソメソしてました。

 

母が目を覚ましたので、一緒にベッドに座ります。

背中をそっと支えていれば、座っていられるときがあります。

完全に寝たきりにならないように。

失われていく筋肉をなんとか少しでも維持したい。

小さな母と並んで座って、あれこれ話しかけます。

一度緩んだ涙腺はもうだだもれ状態。

母の背中をさすりながら、泣けて泣けて。

母はあらぬ方向を見つめてじっとしています。

 

 

夕方、社会人1年生の娘からラインが来て、

「今日ご飯食べにいってもいい?」

はいはい、もちろん。

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はりきって準備した娘のお夕飯。

・あさりのスパゲティ

・煮卵とブロッコ

・焼きのこと卵のおつゆ

バゲットサンド

もりもり食べてくれました。

 

 

あのファイルは、妹や、娘達と行きたい場所にすればいい、と思いつきました。お母さんと行きたかったのに、ってグズグズ思っていたら、母を心配させるだけ。

 

私を母にしてくれた娘達のおかげで、母の気持ちが少し想像できます。

 

母のお夕飯。

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・名前を忘れた北海道産のわかさぎに煮ている魚を揚げて、酢に漬けたもの。←魚の向きが逆です!ブログを見た方が教えてくださいました。気をつけます!

・ほうれん草と春菊の胡麻和え。

・雑穀ご飯にじゃこと胡麻

・沢庵

 

母の食事は完全に私の好みに偏ってます。

ごめんね、お母さん、明日はおいしいサンドイッチ作るよ!

 

 

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