ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

お母さんは死んだ

 

明日、ちょっと気の張る客が来るので、

デパ地下に和菓子を買いに行きました。

母と似た年恰好の女性を見ないように、やや下を向いて歩きます。

道明寺を買って、さ、帰ろう。

 

昼間は日差しが暖かかったけれど、夜は少し風が冷たい。

渡り廊下のようになった外通路を歩いて駅に向かいます。

一陣の風が吹き上げて思わず、さむ、と声が出ました。

 

私が寂しいはずがない。

妹も、娘も、夫も、友達もいる。

 

泣き言をいえば、何を置いても駆けつけてくれるはずのお母さんから

なんの音沙汰もないなんて、よっぽどだわ。

ふてくされて歩き出した時に、はっきりとわかりました。

 

お母さんは死んだな。

もういないな。

だから、来ないんだな。

 

 

今はまだ、

「くよくよしてたら成仏できないわよ」とか

「今頃お母さんとお父さん、仲良く喧嘩してるね」とか

「きっとあの世でダンスしてるね」とか、

そういう感じのは、耳を素通りしていきます。

 

思い出すのは、父の言葉です。

「俺は死んだら石になる」

俺は、ってところが彼らしくて、人は知らん、でも俺は石になる、ってね。

そして、娘の彼が言ったこと。

「輪廻転生はあると思う。生まれ変わってそばにいる」

 

それぞれに、深く救われます。

二人が言うことは、矛盾していないような気がします。

 

 

とりま、今私がいるところに父と母はいない、それが今日の結論です。

 

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