ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

松本清張記念館 

 

10代後半から、繰り返し手に取る好きな作家の本。

その名を冠した記念館には行ったことがありませんでした。

 

北九州市立 松本清張記念館

和歌山市立 有吉佐和子記念館

かごしま近代文学館 向田邦子の世界

長崎市 遠藤周作文学館

ヨロン島 森瑤子墓碑

荒川区 吉村昭記念文学館

茅ヶ崎市 開高健記念館

 

母ロス対策と老後の楽しみが見つかりました。

 

 

北九州市 松本清張記念館

 

万年筆の濃淡の滲みから既に格調高く、

直筆の原稿は、時を経て益々その流麗な筆致がドラマチック。

空白さえも余韻にあふれ、

原稿用紙の上部に、

「著者校あり。残りは昼過ぎに入る予定」と、

担当編集者の生々しい赤が踊っています。

生涯に長短あわせて千篇もの作品を残した重厚な面構えの作家が、

「情報が過多になることの弊害・先入観の危険性・疑うことの大切さ」

を、静かな口調で語るビデオが流れています。

 

作家が出征する前に叔父にあてた手紙がありました。

横長の和紙に、トメやハライの効いた流れるような筆使いで、最後に、

「では、行って参ります。敬具 清張 叔父上様 叔母上様」とあります。

 

私も万年筆買いたい。

先生と同じモンブランがいい。

久々に物欲を刺激されました。

 

杉並区にあった作家の自宅を移築した、1階と2階の展示室は、

そのほとんどが、増殖を続けたという書庫・資料室・書斎から成り、迷路のようです。

多くの書架で区切られた書庫を、ガラス戸におでこをつけて、のぞきます。

・近代風俗図鑑

― 歌舞伎 祭礼 遊女 職人 南蛮 年中行事 遊里 洛中洛外 ー

千夜一夜物語

・イギリスの生活と文化事典

支那の刺繍 原色刷 昭和6

朝日新聞縮刷版 ← 重箱より大きい、厚い、重そう。それが数十冊。

などなど、などなど。

 

約2時間、堪能しました。

館内で会ったのは、老夫婦一組と、ここで働く人達のみ。

売店で1冊本を購入して、館を出る前にトイレに行きました。

静かな静かなトイレです。

誰もいないはずなのに、何やら不穏な気配。

3つ並んだ白いドアの左端を開くそのとき、

ちょっと、緊張しました。

脳内BGMは、あの、火曜サスペンス劇場のテーマ曲。

♪~

 

館を出て、隣の小倉城を散策していたら、

妹から緊急のモラオの愚痴電話が入り、一気に現実に戻りました。

(こっちがほんとのサスペンス)

 

小倉城の石垣や石段が、雨に湿って輝いていました。

 

 

売店で買ったこの本を読みながら、対面座席のある鹿児島本線でゆっくり帰りましょう。

写真がたくさんでうれしい。

 

次は誰の記念館に行こうかな。

 

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