私の脳動脈瘤をより詳しく評価するために、脳血管造影検査を受け、安全のために1泊入院しました。
ひとりの時間。
好きなだけボーっとして、誰のご飯の心配もしなくていい。
真夜中。
寝ているベッドからドアの方をみると、廊下の明かりが漏れています。
ピーロン、ピーロン、という音は、なんでしょう。
笑い声が聞こえます。
夜中になに笑ってんだろ。
「ここは病院なので…」という、看護師さんのささやき。
認知の低下した患者さんの車いすを押しながら、かな。
控えめな、でも大きなしわぶきも聞こえます。
少し開いてるドアから、いろいろな気配が流れ込んできます。
ちょうどいい喧噪です。
この約8年、病院と縁が切れることはありませんでした。
夫が食道がんになり、
父が胆管がんになり、
母が悪性リンパ腫になり、
母の介護を4年間。
夫は今は元気です。
父と母は亡くなりました。
次は妹か、と思ったら、私でした。
妹はめでたく経過観察となり、医師から
「あんまり心配しなくていいよ」と言われました。
弟もだいじょぶでした。
さっきまでは電車の音がしていたけど、今は静か。
夕方医師がやってきて、
「血管内治療の方がいいと思うわよ」
「年内に手術するってのはどうかしら」
「いえいえ先生、もっと早くやりたいです」
「そう?それでもいいけど」
という会話がありました。
お父さん、お母さん、私が手術ですって。
出産でしか入院したことなくて、誰よりも元気印のこの私が。
点滴の腕を眺めながら、
「おかあさん」って言いました。
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