1973年。イギリス・フランス映画。
フレッド・ジンネマン監督。
ロバート・レッドフォードと、ジャック・ニコルソンが主人公のジャッカル役のオーディションの為に、ヨーロッパに飛んだが、
ヨーロッパの俳優のみをキャスティングするという、ジンネマン監督の意向で、イアン・リチャードソン、デヴィッド・マッカラム、マイケル・ヨークらが検討されたのち、当時ほぼ無名だったエドワード・フォックスが選ばれた。
イアン・リチャードソンは、大好きなドラマ、ハウスオブカードの原型である、
1990年のイギリスドラマ「野望の階段」で、主人公のフランクを演じた俳優だし、
エドワード・フォックスは、これまた大好きな映画、「日の名残り」でイギリス貴族ダーリントン卿を演じた、ジェームズ・フォックスの兄だし、
「ジャッカルの日」で、パリ警察のルベル警視を演じたマイケル・ロンズデールは、これまた、「日の名残り」で、フランス人外交官を演じている。
年々、思い入れが尽きることがない映画です。
フランスのドゴール大統領の暗殺を引き受けた、コードネーム、ジャッカルという男。
ジャッカルを演じるのは、優雅なアスコットタイが、太い首と小さな彫りの深い苦味走った端正な顔に似合う、澄ました無表情のエドワード・フォックス。
ジャッカルを追うパリ警察の、見た目ゆるキャラ、実は切れ者のクロード・ルベル警視は、フランス人俳優のマイケル・ロンズデール。
映画史に燦然と輝く暗殺映画の傑作。
全篇を貫く、臨場感と緊張感。
硬質な画像と細かい伏線。
息がとまる、衝撃的なラスト。
特に好きなシーン2つについて語らせてください。
➀ジャッカルを追うパリ警察の動きを探るために、パリ政府の役人に近づく女スパイ、デニーズ。
おっぱいスケスケのパジャマにさえも女スパイの哀しみを漂わせる女性。
情報漏洩を突き止めたルベル警視が、内閣の会議に出席する。
「残念ながら、情報は政府内部から漏れていました」
デニーズと、ジャッカルをサポートするフランス過激派組織の男との会話の録音を流す。
しばしの沈黙に満たされる会議室。
長身の男がゆっくりと立ち上がり、
「残念です。この女性は私の知り合いで、今、私の家に滞在しています。失礼します」
机の上の書類もペンもそのままに、自分のカバンだけをもって、部屋を出ていく。
大臣が、
「ルベル警視、お詫びしなくてはならないな」
「恐縮です、大臣」
速やかに次の話題に移る。
簡潔に洗練された会話の運びにゾクゾクする。
好きなシーン②
かっこいいスポーツカーで颯爽と移動するジャッカル。
国境の警察警備隊の監視と検閲をくぐり抜け、ニースでホテルで裕福な年上マダムを一夜を共にする。
これは、暗殺計画の一端ではないらしい。
マダム役は、フランス俳優のデルフィーヌ・セリッグ。
登場シーンは、ホテルのレストラン。
ひとめでこのマダムは今、食事を終えたところ、とわかる。
きっとおいしいものを少しだけ楽しんだんだろうなと思わせるその仕草。
ウェイターに、
「コーヒーはラウンジでもらうわ」とささやくその声は、思いのほか低い。
クラシックなヨーロッパマダム感たっぷりの佇まいに魅了される。
私にとって、最も効果的な英語学習法は、
好きな映画を繰り返し見ること。
英語字幕、日本語字幕、字幕なし、を使い分けて、とにかく何度も見る。
セリフを全部覚えるくらい、見る。
例えば、好きなシーン➀で、大臣が警視に、謝罪するところ。
大臣は、
「I owe you an apology」と言ってます。
この言い方だと、答える警視の
「thank you」は自然な流れ。
いつかまた、英語圏に住んでみたい。
円安になぞ、負けないぞ。
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