ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

ずっとそばに置く本。

 

沼野正子さんのエッセイ本2冊。

左は1993年発行。著者58歳。

右は2019年発行。著者84歳。

 

やせる必要のなかった頃に、繰り返しながめた左の本。

 

たとえば、お昼に作ったつゆそばが出てきます。

前日の煮物を使った、なんでもありの我が家そば。

おそばは、3分の2人前。

具は、わかめ・油揚・大根おろし・きざみねぎ・ちくわ・ぜんまい・ウチのゆず。

「なぜかこのようなものは雨の日に作ります」というコメントつき。

 

他の日には、同居している実母とうどん一玉を半分こして、なんでもありうどん。

具は、油揚・ネギ・ナルト3枚・麩・白菜。

母親に

「お麩や白菜が好きになったなんてあんたもトシねエ」

と言われてます。

 

その頃、自分より二回りほど年上だった作者の優し気なイラストと文章は、

スルスルと心に流れ込んできたものです。

 

時々思い出したように手にとっていたけど、ある日、作者の新刊である右の本を見つけて、即、定価で買いました。

 

これは赤裸々な告白本だ。

 

26年前の本に描かれた家族のその後。

家族の面々を描いているその絵は、以前と同じタッチながら、これが本当の姿よ、と言ってるような現実味にあふれています。

内容も、夫の死や、実母の認知症、弟との関係、自分の病など、人生後半に押し寄せる大波小波がつづられています。

大先輩が、見栄やプライドなんてかなぐり捨てて、自分の経験や思ったことを嘘偽り誇張なしで教えてくれている、そんな本。

 

2冊並べて、ずっと読み続ける、そばに置く2冊と決めました。

 

最近、電子辞書に移行すべきか、なんて思っていたけど、

お醤油の染みみたいのがついてる20年前の本をまた手に取ると、

娘が眠りにつくその脇でページをめくった頃が思い出されるのはやっぱり紙の本だから。

 

死ぬまでずっとそばに置きたい本の半分は既に読んだ本だと思う。

年末年始の大掃除で選りすぐろう。

小さな本棚に、あと10冊くらいの余裕を残して、それらの本を並べて、そばに置こう。そして毎日、本を読もう。

楽しみだな。

 

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