ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

半年ぶりの笑顔

さまざまな母の様子を、写真や動画に残しています。

主治医に見せるための気になる症状や、食べた、泣いた、怒った、母の今。

約2年前の、つかまり立ちしている得意げな様子もあります。

 

今年初めくらいから、母の状態は下る一方でした。

7月の入院で、あきらめなくてはならないかと覚悟したこともありました。

記録に残る最後の笑顔は4月です。

 

今日、声を出して笑いました。

ほとんど泣き笑いのような笑顔ですが、確かに、笑いました。

きっかけは、「妹のこより」です。

 

海外在住の妹は、毎日ビデオ通話で母の相手をします。

反応の薄い母にもずっと話しかけます。

キッチンで家族の食事を準備しながら、

「お母さん、換気扇回すからうるさくなるけどいい? ごめんねえ!」

などと言い、画面に出たり入ったり。

時に、子供が顔を出したりの喧噪を届けてくれます。

 

今日は私と母と妹の3人でビデオ通話していました。

母は、お父さんごめんね、などとつぶやきながら、いつものブルーな感じです。

妹が、鼻の奥がむずむずするといって、

おもむろにティッシュでこよりを作り、くしゃみ誘発作戦を開始しました。

何やってんだか、と思いながら、母に添い寝している私はウトウトしてました。

 

「ふぇーーっくしょん!」と大きなくしゃみが出た途端、

「やだああ!」と母が言って、ケタケタっと声をあげて笑ったのです。

 

一瞬の沈黙の後は、歓喜の修羅場(というものがあるのかないのか)でした。

 

泣く私、なぜか立ち上がってこよりを動かし続ける妹。

お父さん!と言いながら笑う母。

動画!動画!と妹が、鼻声で指示を飛ばしてきます。

はい!はい!

ああ、まちがえた、携帯切っちゃった!

待って待って!もう一度かける!

いや、通話しながらだと動画とれない!!

写真でいいから!写真で!!!

携帯が切れ、妹の声が、ウェブカメラから接続状況最悪な感じでビンビン

響き渡ります。

 

妹の鼻腔内毛細血管が出血して、修羅場は幕となりました。

 

母を巡る季節には、宝物のような瞬間がいくつか準備されているようです。

 

体を張った妹よ、ありがとう。

 

今日、母は久しぶりにお豆腐のお味噌汁を4口、食べました。

 

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