いくつかある、何度も見る映画。
決まった分野もなく、主人公もバラバラで、
誰もが知っている大作もあるし、ロードショーされなかった作品もある。
最近わかりました。
「日常」を見たい。
事が起こり、収束に向かう後半よりも、
主人公とその家族、仲間、生活の様子、事件の背景、謎めいた伏線などが語られる前半が好き。
たとえば、スティーブン・キング原作1996年アメリカ映画「痩せゆく男」。
これが、
ジプシーの呪いでこうなっちゃう。
1996年だと、CGとか今ほどではないだろうし、
太るのは詰めたり着たりするんですよね。
やせるのすごくないですか?
このあと、もう一段やせて瀕死になって、これいったいどうやったの?
という疑問で頭がいっぱいになる後半よりも、
ジプシーの呪いとは知らずに、
134キロが128キロに減ったよ!と喜ぶ主人公のビリーの
こんなシーンが好き。
アメリカのキッチン。
大袋のポテチが5個も出してあって、
奥さんが、「書院」みたいなPCで夫の体重管理をしています。
後方に見えるテレビはブラウン管。
雑然と重ねた本のリアル。
ダイエットしてる夫がいるのに、チョコとクッキーみたいなのが
お皿にのって、置いてあります。
日常が丁寧に描かれている映画の前半が好き。
とは言え、
やっとジプシーの呪いに打ち勝ったビリーが、
呪いの血入りのチェリーパイでまず裏切った妻を、
次にうっかり愛する娘を殺し、
そのうっかりに絶望して自分もパイを口に入れようとしたその時に、
妻と姦通した友人がやってきて瞬時に友人にもパイを食べさせようと決め、友人を迎え入れドアを閉める直前のビリーの笑顔の歯茎のおぞましさ。
そのたたみかけるテンポのラストシーンは、背筋がぞくぞくします。
で、また平和な前半を見たくなる、というわけです。
主人公のロバート・ジョン・バークは今年61歳のイケオジです。
コニ―&カーラ(2004年アメリカ)の犯人役はかっこよかった!
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