私はまだ母のマンションにひとりで暮らしていて、夫が夕飯を食べにきたり、
娘が遊びにきたりします。
仕事も在宅で済むことがほとんどです。
母が居た時は、毎日いろんな介護の人や、お見舞い、宅急便やらなんやら、にぎやかでした。
今はシーンとしてます。
それでいい、それがいい、しばらくこうして頭を下げてじっとしていよう。
たとえばソファで、
太ったお尻と両足を投げ出して、
納豆ご飯をかっこんだあとのお茶碗もそのままに、
お茶も入れずに水を飲みながら携帯ゲームをしていると、
近視眼的な視界の片隅に、母のお骨と両親の写真がひっかかり、
もういいんだもんね、だらだらするもんね、とつぶやく自分の重い体がソファに沈み込み、骨が抜けていきます。
そのまま眠ってしまい、
寒くて目を覚まし、
なんとか歯磨きして、今度は冷たい布団にもぐりこむ。
布団が温まりだしたころ、また骨が抜けて私の体はデロデロになり、考えることを拒否する。
しかし、
先週から娘が約1週間滞在したので、久々にエプロンを着用して、長時間、台所に立ちました。
野菜炒めと、鶏むね肉の塩こうじ焼き。
納豆ご飯の朝食もなんだか華やか。
桜餅でお茶をして。
きのこたっぷりのスープを作って、サラダには、初めてのブッラータチーズ。
しっかり作って、しっかり食べて、人の形を取り戻しました。
母が入院していた半年間、毎日ぬか漬けを持って通いました。
人参のぬか漬けをポリポリ食べてくれて、
回診にきた先生に感心されたりしました。
退院してからの介護生活でもぬか床は大活躍。
母が食べなくなったころから放置して、結局捨ててしまいました。
今日、ぬか床を新しく作りました。
いりぬかに、唐辛子と塩とビールをドボドボいれて、水分たっぷりの春キャベツを漬けて、1日に2回かき回します。
1週間ほどで食べられるようになるでしょう。
夏までには、ピカピカのぬか床になるでしょう。
母はもういないけど、私はまた、ぬか床をかきまわそう。
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