母が亡くなってからちょうど1年。
昨年末、海外に住む妹家族がやってきました。
事件②は、この次の日に起きました。
私と妹は朝から実家の片づけ。
泣いたり笑ったりしながら、思い出との格闘です。
午後、ひとやすみしていたら、2階からモラオが降りてきました。
妹はモラオに片づけや掃除を手伝ってとは決して言いません。
あとから何言われるかわかったもんじゃない!と言います。
もし、「庭の雑草を抜いてくれる?」って言ったとします。
妹の想像は、
「やってもいいけど、なぜ君の弟や、お義兄さんはここにいないんだい?どうして僕だけがやるのかな?僕はホリデーなのに」って言うらしいです。
知らんけど。
というわけで、モラオにもお茶をいれます。
丁寧にお礼を言ってくれます。
格調高きブリティッシュイングリッシュ。
しばらく無言。
おもむろに顔を上げ、眉間にしわを寄せた顔で、質問してきました。
「お姉さん、仏壇はどこにあるの?」
いやいやおまえ、知っとるやろ。
7年前に父ちゃんが死んだときに何度もみんなで話したやんけ。
うちの父ちゃんは元気なころに墓じまいして、
死んだら俺は石になるから葬式も墓もいらん!って宣言して。
ちゃんと遺言にも書いてあって。
だから、海外のあんたらは来れなかったけど、私と弟とで伊豆沖に父ちゃん散骨して、
母ちゃんもきっと同じ思いだから、仏壇も墓もないけど、みんなの心にはいつもいるよね、的なこと。
そりゃ、遺された私たちは、手を合わす場所がなくて心もとない時もあるけど、
子どものいない弟夫婦のことや、
私たちの面倒を無くすためでもあった、そんな父ちゃん母ちゃんの思い。
うるさい親戚もおるけど、
父の、母の人生振り返ったら、
もうこれ、愛以外のなんでもないから、私たちはそれを尊重して今があるやんけ。
あんたが知らないわけないやんけ。
と、まくしたてるわけにもいかず、
「あなた知ってると思うけど、父も母もそういうことは望まなかったから、ないわよ」
「それでいいのか。ちょっと僕には信じられない。僕は、ご両親に尊敬の意を表したいけどな。君たちはそれでいいのかい?粗末に扱うことにはならないの?僕の両親はいまも先祖を大事にしていて、それは大切な習慣になっている。そんな両親を僕は本当に尊敬しているし、僕もそういうことは大事なことだと思うんだ。君たちもそうするべきじゃないのかな。僕個人の意見だけどね。」
これか。
これがモラハラか。
思慮深げな顔で、同じようなことを繰り返してました。
「横浜の自宅には、両親の写真とお骨があるのよ。毎日お花とお水を供えて、いろいろ話しかけてるの」
「それなら、お宅に伺ったときにおまいりさせてもらうよ。火をつける場所はある?」
ああ、うるせ。
その二日後、横浜の自宅に到着。
みなで2日間過ごしました。
居間の奥、私の机の横にある、両親の写真と母の遺骨。
花を飾り、お水を供えてあります。
モラオ、見事にスルー。
さすが、モラオ。
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