ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

モラオ事件②

母が亡くなってからちょうど1年。

昨年末、海外に住む妹家族がやってきました。

 

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事件②は、この次の日に起きました。

私と妹は朝から実家の片づけ。

泣いたり笑ったりしながら、思い出との格闘です。

午後、ひとやすみしていたら、2階からモラオが降りてきました。

妹はモラオに片づけや掃除を手伝ってとは決して言いません。

あとから何言われるかわかったもんじゃない!と言います。

もし、「庭の雑草を抜いてくれる?」って言ったとします。

妹の想像は、

「やってもいいけど、なぜ君の弟や、お義兄さんはここにいないんだい?どうして僕だけがやるのかな?僕はホリデーなのに」って言うらしいです。

知らんけど。

 

というわけで、モラオにもお茶をいれます。

丁寧にお礼を言ってくれます。

格調高きブリティッシュイングリッシュ。

 

しばらく無言。

おもむろに顔を上げ、眉間にしわを寄せた顔で、質問してきました。

「お姉さん、仏壇はどこにあるの?」

 

いやいやおまえ、知っとるやろ。

7年前に父ちゃんが死んだときに何度もみんなで話したやんけ。

うちの父ちゃんは元気なころに墓じまいして、

死んだら俺は石になるから葬式も墓もいらん!って宣言して。

ちゃんと遺言にも書いてあって。

だから、海外のあんたらは来れなかったけど、私と弟とで伊豆沖に父ちゃん散骨して、

母ちゃんもきっと同じ思いだから、仏壇も墓もないけど、みんなの心にはいつもいるよね、的なこと。

そりゃ、遺された私たちは、手を合わす場所がなくて心もとない時もあるけど、

子どものいない弟夫婦のことや、

私たちの面倒を無くすためでもあった、そんな父ちゃん母ちゃんの思い。

うるさい親戚もおるけど、

父の、母の人生振り返ったら、

もうこれ、愛以外のなんでもないから、私たちはそれを尊重して今があるやんけ。

あんたが知らないわけないやんけ。

 

と、まくしたてるわけにもいかず、

「あなた知ってると思うけど、父も母もそういうことは望まなかったから、ないわよ」

「それでいいのか。ちょっと僕には信じられない。僕は、ご両親に尊敬の意を表したいけどな。君たちはそれでいいのかい?粗末に扱うことにはならないの?僕の両親はいまも先祖を大事にしていて、それは大切な習慣になっている。そんな両親を僕は本当に尊敬しているし、僕もそういうことは大事なことだと思うんだ。君たちもそうするべきじゃないのかな。僕個人の意見だけどね。」

 

これか。

これがモラハラか。

思慮深げな顔で、同じようなことを繰り返してました。

 

「横浜の自宅には、両親の写真とお骨があるのよ。毎日お花とお水を供えて、いろいろ話しかけてるの」

「それなら、お宅に伺ったときにおまいりさせてもらうよ。火をつける場所はある?」

ああ、うるせ。

 

その二日後、横浜の自宅に到着。

みなで2日間過ごしました。

居間の奥、私の机の横にある、両親の写真と母の遺骨。

花を飾り、お水を供えてあります。

モラオ、見事にスルー。

さすが、モラオ。

 

 

 

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