7歳下の妹は海外に住んで20年以上。
イギリス育ちの男性と結婚して子供が二人。
この年末年始、先に妹が子供二人を連れてやってきて、あとからモラオが合流。
モラオ49歳。
驚くべき感じの良さ。
笑顔を絶やさず、英語はゆっくり、わかりやすく話してくれます。
底冷えのする伊豆の実家に、モラオ、妹、その娘と息子、私、で2泊しました。
夜遅くに到着した彼の為にお風呂と軽食を準備して、一息ついた時。
「僕はどこで寝るの?」質問 by モラオ。
ええ、想定してましたとも。
私たち4人は1階のリビングに布団を敷き詰めて楽しい雑魚寝。
モラ夫は2階に一つだけあるベッドに寝かせよう。
きっと文句いうよ。
なぜ僕はひとりなんだ?
ファミリーは一緒に寝るものではないのか?って。
わかった!おばさん(私)がきっぱり言ったる!
「おお、そういえばあなた、いびきかくわよね、だったら
2階で一人で寝てくれる?ベッドがあるし、私たちはここで雑魚寝(英語でなんて言うんだ!)するわ、そうしましょ!」ってね!
おばちゃんがんばって!(甥っ子姪っ子)
お姉ちゃんよろしく!(妹)
まかせとけ!(私)
という、打ち合わせをしてました。
現場に戻ります。
「僕はどこで寝るの?」
「あ、あ、あのね、2階で寝たらどうかしら。ベッドあるし。私たちは狭いけど、ここに布団を敷いて寝るわ。床は固いけどね。だってあなたは長旅で疲れてるし。ね、2階でどうぞ、ごゆっくり。暖房つけとくわね」
(打ち合わせとだいぶちがう)
「OK」
やった、OKだって!よかった!一件落着!
と思っていたら…その20分後に事件は起きました。
私と甥っ子は少し離れたところで携帯ゲームに興じていました。
ガラス戸の向こうに、妹、姪っ子がいます。
モラオが渋面で妹に近づき、何やら不穏な雰囲気。
グチグチ言ってるな、って思っていたら、
姪っ子15歳思春期が、そんな声出せるんだ!という大声で、
「なんたらかんたら!なんたらなんたら、かんたらかんたら!」って言ったんです。
それでなくても喧嘩腰に聞こえる広東語で、舌鋒鋭く父親に何かを言い渡しています。
そしたらモラオ、ケッみたいな顔で、2階に引っ込んだんです!
何がおきた?!
すかさず私、甥っ子に聞きましたよ。
「ね、いま、なんて言ったの?」
「○○(姪っ子)はすごいことを言った」
「なに?早く教えて」
甥っ子はニヤニヤしてます。
「早く教えてよ!」
「パパ、2階で寝たくないのなら、私が2階で寝るよ。でもそしたら、パパは、
ママ(不仲)と、○○おばちゃん(私)の間に寝ることになるよ!って言った」
で、モラ夫は引き下がったわけです。
内容はともかくとして。
再確認しますが、この姪っ子15歳思春期は、普段はかなり静かで言葉が少ない子。
芯の強さはあります、それはわかってました。
でもこれほどとは!
「○○(姪っ子)、すごいね、つよいね、えらいよね」
「うん、おれら、○○に負けたな」
「きみ、日本語上達してるね」
私と甥っ子は、固く握手をしました。
せずにはいられませんでした。
私はすぐに転げながら、姪っ子のもとへ。
「○○ちゃん、私、いびきのこととか言うから!って約束してたのに、いざとなったら言えなくてごめんね。ありがとう。あんた、つよいね、ほんと、ありがとう、ごめんね!」
姪っ子、いつもの静かな口調で、
「だいじょぶだよ、おばちゃん」
思わず細い体を抱きしめましたよ。
モラハラに功罪あり。
その功とは、我らの結束を高めることと知る。
おばちゃん、意気地がなくて、恥ずかしい!
雑魚寝布団を上げた後、寝そべる甥っ子。
事件②に続く。。。
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