1990年のアメリカ映画。
1980年、現実に起きた事件の映画化である。
女性富豪が植物状態に陥り、イギリス貴族の夫に容疑がかかる。
原作は容疑者の弁護を担当した弁護士の著作。
(以前の記事で、再婚するなら「愛と追憶の日々」のジャック・ニコルソンと書きましたが、撤回します。ジェレミーを忘れてました。)
御年75歳のイギリス人俳優、ジェレミー・アイアンズ。
一癖ある役柄が多い人ですが、YouTubeでインタビュー動画をみると、
顔の彫りが深すぎて話があんまり入ってこないが、とにかくかっこいい。
知的で実直そうで、しかもイケメン。
「ダメージ」「ロリータ」「エム・バタフライ」はセクシー三部作で息苦しい。
「ライオンキング」のスカーは、ライオンなのに歌がうますぎる。
「ダイ・ハード3」の悪役は、タンクトップが気になってしょうがない。
「戦慄の絆」は双子の役で、2人いるもんだから、刺激が強すぎる。
「奇蹟がくれた数式」のもの静かな教授は素敵。でも、
やっぱりこれ、「運命の逆転」のジェレミー・アイアンズ。
たぶん、やな奴なんだけど釘付けになってしまう魅力満載で、優勝です。
妻殺害の容疑がかかった裁判は、有能な弁護士が検察側の証拠を崩し無罪を勝ち取るが、事件の真相が明らかになったとは言い難く、結局謎を残したまま。
映画はここまでです。
現実では、妻は2008年に28年間(!)の植物状態を経て77歳で亡くなり、
夫は2019年92歳で亡くなっています。
ストーリ―だけでも抜群の見ごたえなんだけど、
主役の夫婦が、ジェレミー・アイアンズと、グレン・クローズですから、濃厚です。
毎回ため息ついちゃうのが、
初対面の夫と弁護士がレストランで食事をしているシーン。
率直で切れ者の弁護士が、この勝ち目の薄い裁判に向けて、
「ひとつだけ有利な事がある」って言うんです。
(それは?)って顔をする容疑者の夫(ジェレミー)。
パンでソースをぬぐって食べてます。
大仰に首を傾けたその仕草が、くせ者感を醸し出す。
「みんながあなたを嫌ってる、ってこと」
(あーね)って顔の夫、一拍おいて、
「では、そこから始めましょう」Well, that’s a start.
って言うんです。
かっこよすぎてしびれる。
私もこれからの人生、何が降ってきても、
「ではそこから始めますか!」と開き直って歩いて行こう、って、
なぜこんなに励まされるのかわからないくらい力をもらえる、このシーン。
もう一回みよっと。
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