何かの拍子に前歯が欠けてしまい、間の抜けた顔になっていた母。
以前からお世話になっている、同じマンションの1階にある歯医者さんに予約を入れました。
入院やてんかん発作でしばらく行ってなかったので久しぶりです。
ひとまわり小さくなって経鼻胃管をいれている、そんな母を、
「あら~おひさしぶりい!お顔の色もよくて、お元気そう!」と
満開の笑顔で迎えてくれたスタッフのみなさん。
先生はたぶん60歳くらいの強面でやさしい方です。
母はいろんなことをなんとなく理解している、と思うんです。
家族以外だと、微妙に態度が違うし、言葉も違います。
デイケアで英語が飛び出たように、環境の違いも認識していると思います。
歯医者でも、おとなしく口を開けます。
治療がすすむにつれて、抵抗したいような、我慢できないような態度を見せるんです。小さい声で、ばか、って言ってみたりもします。
治療中、私は待合室にいますが、ドアがあいているので、空気や会話は伝わってきます。
治療も終盤の頃、先生が、
「○○さん、ご立派です。もうすぐ終わりますよ」とおっしゃいました。
ジーンとしちゃいました。
訪問入浴を利用し始めたころ、
タオルを掛けただけの母をじっとみていた男性スタッフにクレームを入れました。
もうおばあさんだし、入浴スタッフなんだからそんなこと言ってたら仕事にならないよ!と飲み込むことはできませんでした。
訪問リハビリの際、母の体をほぐしながら、
「娘さん、泊まり込みですか。大変ですね」と言ったPTに、帰りの玄関先で外に出て、
「あれは言わないでね」と言ったら、すぐにわかってくれました。
母の怒り発作がひどかった時、手が出たり、暴言を吐いたりすることがありました。そんな母に、
「おつらいですね、大丈夫ですよ」と肩をさすってくれる看護師さんもいれば、バカと言われて、
「私バカじゃないよ」とむきになる看護師さんもいます。
母は耳がいいと思います。
大きな声を出す必要はありません。
でも反応が薄いし、認知機能が低下していますから、つい、
「○○さん!聞こえますか!お熱、はかりますよおお!」
となるのは、よくわかります。
私もそうなっちゃうときありますから。
だから、高齢の女性としての母に、普通に向き合ってくれる人に会うととってもありがたくて、うれしくなります。
遊びに来てくれた娘の彼氏のお母さまが、帰り際に母の手を握って、
「突然おじゃましてしまってごめんなさい。でもお会いできてうれしかったです」と静かに優しく語りかけてくれた時、
「ああ、私もこういう人になりたい、ならなくちゃ」って思いました。
今日食べたもの。
午前中。
梅干し復活!
夕方。
卵入りお味噌汁と、バタートースト。
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