ジムに通う日々が戻ってきました。
お風呂だけだと約30分。
プール+お風呂で約45分。
ヨガクラス+お風呂だと1時間強の滞在です。
更衣室。
パンツ一丁&仁王立ちで携帯を見ている人。
入浴セットで前だけ隠して小走りの人。
おしゃべりに夢中の半裸族。
夜の10時半なのに、フルメイクで帰途につく妙齢の人。
老若問わず、無防備な女性たち。
お風呂。
小さなサウナ室があります。
思うに、お風呂ピーポーは、二派に分かれる。
サウナ入る人と、入らない人。
私は入らない派。
そこには結界があるのです。
定員はおそらく6、7人。
同じような時間帯に来る人が多いので、サウナ室のメンツもほぼ一定です。
茹だった顔と身体で出てきて荒行のように水を浴びる人。
出てきてもおしゃべりが止まらず、
サウナリーダー(私の妄想)にたしなめられている人。
水風呂と温かい湯船で、別人のような人。
乾いた空気の中での、濃いようで薄い会話を勝手に想像する陰険な私。
なつかしいサウナ室の面々をまた眺めています。
以前より太っていたり、
髪が伸びていたり、
背中が丸くなっていたり、
おかしな帽子(たぶん頭が熱くなるのを防ぐ)をかぶっていたり。
来なくなっている人や、新しい人もいるみたい。
父が亡くなり、母を説得して私の住むこの町に引っ越してくることを了解してもらい、
マンションを買ってリフォームし始めた矢先に母が倒れました。
母が引っ越してきたら一緒にこのジムに通うぞ。
一緒にこのお風呂にはいるぞ。
でも、そんな夢のようなことが実現するのかな。
そんなことがあり得ようか、あるはずがないと、いう声が聞こえていたのに、聞こえないふりをしていた。
結局母は退院したその時から介護度5で、その後寝たきりとなり亡くなりました。
手に手を取ってのジム通いは、やはり夢に終わりました。
繰り返し心に浮かんだあの反語じみた思いは、現実となりました。
あの時だけ預言者だった自分を思い出しながら今日もジムの風呂につかってきました。
4年のブランクなどなかったように、変わらぬ光景があります。
見覚えのある顔と身体がサウナから楚々とでてきました。
5年くらい前でしょうか、
彼女をよく見たんです。
誰とも話してる様子がなく、
いつも下をむいていて、
やせていて、
つまらなそうだった。
ラウンジの椅子にぼんやり座っているのもよく見ました。
あの彼女が、サウナから出てきて、
以前と変わらぬ骨の浮き出た猫背を見せて勢いよく水を浴び、
また、堂々たる足取りでサウナに消えていったのです。
結界を越えたんだ。。。やるな。
何も変わっていないのにただ母だけがいないといつも不貞腐れている私に、
結界を越えてサウナに出入りする彼女は、
時は流れたのだ諸行無常なのだと教えてくれるようで、なんだかとても頼もしく見えたのでした。
人は何に慰められるか、わかったもんじゃありません。
今日、次女に作った、男子高生のようなお弁当。
ランキングに参加しています。よかったらクリックお願いします。