父が亡くなり、母が亡くなり、花を飾る習慣が根付きました。
一番近いのは駅構内の花屋さん。質はいいけど高い。
スーパーのレジ横に並ぶ398円598円のお花。安いけど、長持ちしない。
車で行く農協の野菜直売所。元気な雑草みたいのもあって楽しい。でも遠い。
ベストは、少し歩くけど地元で30年以上営業している花屋さん。
イケメンと、元イケメンと、ロンドンで修行した渋い店長が営む、
愛想はないけど、腕は確かなお店。
今日も行ってきました。
「お仏壇に飾るかわいい花をいくつか。予算2000円。花瓶は背が低いものばかり」と伝えると、
これどう?これは?じゃこれも、と、店長が一緒に選んでくれました。
「このトゲトゲしたのも入れたいです」
「このフンワカしたのもお願いします」
予算に達したところで、私はお向かいのスーパーに味噌を買いに行き、
戻ると、ステキな花束が出来上がっています。
大きく広がっていたカスミソウも、分けて長さを揃えてあります。
サンクス、店長。
帰宅して、まずは、花瓶に投入。
うん、イイ感じ。
毎日水を替えて、少し短く切ったりしながら、
小さな花瓶に分けてみたり、お花が落ちたら水を張ったお皿に浮かべたりして楽しみます。
母はよく、庭から花を摘んできて飾っていました。
「しんそえたい!」って言ってたな。
突然よみがえる母の声。
あれ、なんだんったんだっけ?
※華道のルール。
花材にはそれぞれ異なる役が与えられ、そのうち骨組みとなる花材の事を、役枝(やくし)と呼びます。
池坊と草月流では、古くから万物の基礎であるとされてきた「天地人」になぞらえ、3つの役枝で構成します。
池坊ではそれらを、「真(しん)」「副(そえ)」「体(たい)」といいます。上から見ると不等辺三角形になるように、手前から見ると奥側に「真」がくるように3つの役枝を配置し、作品を表現するための空間を作ります。
お母さん!
あなた、池坊流だったのね。
しんそえたいって言いながら、ニコニコ花を生けていた。
自分の好きなことをよく知っていて、人には何も押し付けない人でした。
努力家で、丁寧に暮らしていた人でした。
2016年に母が送ってきた写真。
保存してあった私、えらい。
しんそえたい、になっていますよね。
お母さん、会いたいなあ。
あ、もちろんお父さんもね!
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