ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

母の教え⑤ ハッチより睡眠。

 

昨日も泳ぎました。

550m20分。

25mでターンするときにはまず手をついて、身体をダンゴムシみたいに丸めて、両足つけながら向きかえて、ビヨーンと伸びる。

かつてはクルンと回るターンを華麗に決めていたので、

そろそろちょっと回ってみようかしらと思ってやっぱりやめた、その瞬間鼻に水が入ってツーン。

塩素のにおいと共に、よみがえったある記憶。

 

小学3,4年生のころ、弟と一緒にスイミングスクールに通っていました。

金曜日、学校が終わると母が車で送ってくれます。

練習が終わると、母が迎えに来てくれるのですが、忙しい母は決まって遅れてくるので、二人して駐車場でボケーっと待ったものです。

私達はおなかがペコペコで、それを承知の母がいつも何かしら持ってきてくれてました。

飴ひとつのときもあれば、バナナだったり、おにぎりだったり。

ある時、チーズを持ってきたんです。

たしかチーズキッスという、丸くて飴みたいにビニールで包んであるやつ。

私はあの頃チーズが苦手でした。

チーズと言えば、雪印のプロセスチーズでしたよね。

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妹はそのまま齧って叱られていましたが、私はなんだか石鹸みたいと思って敬遠していました。

案外繊細だったな、自分。

 

「えーチーズなのお?」と不満を言ったにちがいない私に、

「食べてごらんよ、おいしいよ」と言ったかもしれない母。

空腹には勝てず口に入れたらおいしくて、以来チーズが大好きになりました。

とまあ、これは余談です。

 

スイミングスクールは毎週金曜日で、帰宅するとお夕飯。

その後夜7時くらいから、大好きな「みなしごハッチ」が始まります。

 

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テーマソングが聞こえてくるようです。

始めに流れる曲は軽快で、終わりの曲は物悲しい。

♪ママ、ママ、ひとめ会いたいの~♪

 

録画などできぬあの頃。

番組が始まる前からテレビの前に体育座りで並びます。

しかし、ハッチはいつもスイミングのあと。

たっぷり泳いで、たらふく食べたからもう眠くて眠くて。

弟は間違いなく先に寝ていたと思います。

3つ年上の私は、どうしてもハッチがみたい。

始まってしまえば目が覚めるはず。

そこで、悪魔の母がささやきます。

「起こしてあげるから、少し寝たら?」

「ほんと?ほんとに起こしてよ!絶対だよ!」

すや~。

はい、起きたら朝です。

大泣き。

「なんで~なんで起こしてくれなかったのおお!!」

すると母が申し訳なさそうに言います。

「ごめんね、起こしたよ、何度もね。でもね、ぜんぜん起きなくて、

あんたすごく怒って、私のおなかを蹴ったのよ。。あ、まだ少しいたい。。。いたた。。。」

「え、そうなの、ママごめんなさい。。。うわーん!」

これ、毎週、やってたような気がします。

あれが母の嘘だと気づいた頃にはもう、それはまた母の愛でもあったのだとわかる年になっていました。

 

母に倣い、娘達を育てました。

宿題やるより寝なさい、と言ったかどうかは記憶にございません。

 

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