ダージリンママ介護日記

要介護5の実母79歳を介護した娘の日記 その後

外に出ると悲しくなる

駅に向かう坂道。

夕焼けに後押しされて、母への思いが流れ出す。

この道をトトトっと下りながら、いったい何度母に電話したかしら。

 

いま何してる?私はこれからプール。

これから?お夕飯は?

豚汁作った。

もう遅いじゃない、気をつけなさいよ。

うん、お母さん、今日はどっかいった?

あのね、

    ~ ピンポーン ~

あ、誰か来たから、もう切るね、じゃ、気をつけなさいよ。

は~い。

そんな会話。

 

 

母を介護していた時、外に出て人々の往来を目にすると、忽然と悲しくなった。

母はもう歩けない。

ひとりで好きなように出かけたり、用事に追われて小走りしたりしない。

あの部屋で何もできず、何も言えず、ただ横たわっている。

早く戻ろう。

母のあたたかい体をさすろう。

外にある現実よりも、寝たきりの母という現実の方が、優しい。

 

母はどこに行っちゃったのかな。

この外気、日差し、風はこの世のもので、母はここにはもういない。

ちがうところに行ってしまった。

 

 

娘に

「ママ、ばあばが病気になってから、哀愁を身につけたね」と言われました。

ふとした時に、哀愁が漂ってるらしいです。

さもありなん。

哀愁と縁の無かった今までの半生に感謝。

 

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