私のミートソースは、野菜たっぷり。
30年くらい前に、ブックオフで100円で購入したこの本。
初版は昭和49年刷。
第6版が昭和52年刷。
ソフィア・ローレンは今も健在、
御年89歳のイタリアの大女優。
「ひまわり」の切なくも強くたくましい表情と、あの音楽。
妖怪人間ベムのお母さん、ベラに似ていると思います。
この本は、ローレンが1968年妊娠してから出産するまでの春夏秋、流産を避けるためにジュネーブのインターコンチネンタルホテル18階に閉じこもった、その時に書かれたもの。
本国イタリアでも大ベストセラー。
各種料理をテーマにしたソフィア・ローレンの魅力的な写真にまず、釘付けになる。
レシピはどれもシンプル。
印象的なエピソードも読める。
たとえば:
「戦争中に子供だった私(ローレン)は、爆撃から逃れ、家族や村人とともに、逃亡用の汽車を待つためにトンネルで過ごしていた。ある朝、母がこっそりと連れて行ってくれた岩穴には、母ヤギと子ヤギが飼われていて、母は素早く母ヤギの乳を搾って、私に与えた。まだ熱かったその味は一生忘れられない」
そんな記憶を、ジュネーブのインターコンチの18階スイートで綴った大女優。
パスタの章の2つめレシピは、
「タリアッテレのボロニア風肉ソース」
牛ひき肉とソーセージ、刻み野菜を炒めて、白ワインやトマトで煮込む。
弱火でぐつぐつと煮込み、材料の形が崩れるようになったら出来上がり。
ひき肉と野菜とトマトと、ワインね。
これならすぐ作れそう!と20代の私は思ったのだ。
あれから数十年、夏の盛りには完熟トマト、時には市販のトマトソースや、デミグラスソース、生クリームをいれてみたり、きのこをたくさん足してみたり。
気楽に作って、いつもおいしいミートソース。
今回は、玉ねぎ・セロリ・茄子・にんにく・舞茸・合い挽き肉・季節外れの水っぽいトマト・トマトピューレ・赤白ワイン・塩・胡椒・お醤油。
直径30センチの大きな琺瑯鍋で作ります。
まえがきの最後に、
「この本を開けば、私の台所にいらっしゃるのと同じです。私と一緒に、お食事をどうぞ」とある。
あのソフィア・ローレンに言われたら、
「ほんとに? 光栄です、お邪魔します!」
と言うしかない。
豪奢な本です。
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