新型コロナに感染して、ただ息子を迎えに来るだけの里帰りになってしまった私の妹。
先日、文字通りのとんぼ返りで、息子と共に日本を発ちました。
出発前夜、羽田近くのホテルに荷物を置いて、私と妹と甥っ子の3人で蒲田の街に繰り出しました。
病み上がりの妹は、百均で買い物がしたい!
甥っ子は、腹が減った!
私は、なぜかヘトヘト!
リンガーハットで長崎ちゃんぽんを食べました。
生姜ドレッシングたっぷりかけて、おいしかった~。
バイバ~イ、と努めて軽く別れました。
3,4分歩いたら、後ろからトンとつつかれて、なんと二人が走って戻ってきて、
駅まで一緒に行くというのです。
軽いバイバイが成功したのになあと思いながらやっぱり嬉しくて、ありがと、と言って3人で歩き出しました。
途中のたい焼き屋さんでお土産を買います。
鳴門鯛焼本舗。
ここのたい焼き、皮が薄くてパリっとしていて、餡がたっぷりだけど、しつこくなくておいしいです。
お財布を開いたときに、思い出しました。
今日妹に持ってきたものがあったのです。
お財布の中にしまってあります。
後ろでニコニコ待っていた妹に、
「これ、最強のお守りだよ!」といって、
母の最後の免許証を渡しました。
倒れる前年に更新した、とっても美人できりっとした表情の母が鮮やかなカラー写真でそこに居ます。
「やだおねえちゃん、やめてよ」と言う妹の肩をたたいて、
「気をつけて帰んなさいよ!」と言い、
甥っ子ともう一度握手して、本当のサヨナラの瞬間です。
妹の顔が見れなくて、視線を上げられずにいたら、
母の写真の部分に親指を白くなるほどに押し付けて免許証を持っている妹の手元が見えました。
母の顔を見れない妹の気持ちが痛いほどわかって、2度目のバイバイは小さい声になりました。
横断歩道が青信号でよかった。
渡り切って振り向いたら、並んで立つ二人の身長はそろそろ同じくらい。
今度会う時には、逆転しているかもしれません。
お母さん、みんな、無事に大きくなってます。
孫たちは上に、私たちは横に。
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