2022年のお正月に亡くなった母ですが、
4年間の介護が始まる直前まで颯爽と元気でしたから、
母と一緒にあれもしよう、あそこにも行こうと、計画だけはしていました。
夢らしく、夢に終わった夢リストです。
名古屋旅行も、そのひとつ。
名古屋は母方の親戚が多く、祖母と二人で法事に行ったりもしました。
30年前です。
その名古屋に、行ってきました。
涼みに寄ったスーパーに並ぶ無花果が、さすがに安い。
これで、1パック400円です。
横浜では700円くらい。
愛知はいちじく生産量全国2位です。
買わずにいられまいか。
名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の荒子川公園駅ホームにて、無花果立ち食い。
母の好きだった無花果。
甘くておいしい。
帰りの新幹線。
母が育った富士市を通ります。
富士山と製紙工場。
子どもの頃、母の運転する車で富士市に近づくと独特なにおいがしたものです。
今もそうなのかな。
祖母の家で夜、布団に入るときに、名古屋育ちの祖母が
「もう寝よまいか」と言っていたのを思い出しました。
長い移動時間、思いは過去に飛んでいきます。
「記憶は死に対する部分的な勝利だ」とカズオ・イシグロが言ったそうです。
「死というものでさえも、記憶が周りの人によって保持されれば、
他者の記憶として、亡くなった人の記憶はある種の″関係”として保持される」と。
今、父も母も私の記憶の中にチンマリと座って、ニコニコとこっちを見ている。
そんな気がした、名古屋出張でした。
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